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Jul 22 2010
中原 オランダと日本の課長で、最も違うところは何ですか。 酒井 月並みなところで“責任感”です。与えられている仕事の質や期待されている役割が、日本企業とヨーロッパではまったく違います。  ヨーロッパ企業では、上がすごくしっかりしていますから、中間管理職にそこまで責任はないんですね。ところが、日本では課長がしっかりしているので、上はいなくても現場は回る、といった感覚がありますよね。 中原 80年代後半に、一橋大学の野中郁次郎先生が「ミドル・アップダウン」という表現で、日本企業の中間管理職を“発見”しました。日本企業はトップダウンでも、ボトムアップでもない。質の高い情報を大量に持っている中間管理職がトップに働きかけて意志決定を促すと同時に、部下を束ねて走るミドル・アップダウンであると。この意志決定と行動パターンが日本企業を支えてきたという指摘です。 酒井 ただ、その行動パターンが有効に機能しなくなっているのが、現在の日本企業の課題です。  現場の長である課長に権限が集まると、目の前の物事を処理していくスピードは高まります。一方で、中長期的な戦略が抜け落ちてしまうのです。『はじめての課長の教科書』を書いて、課長であろう読者から「自分が今なぜこんなに苦労しているのかわからない。何のためにやっているのかがわからない」といった声をたくさんもらいました。私は確かに日本の課長は優秀だけれども、そもそも課長にそれだけ仕事が集中してしまうこと自体が、組織としての「戦略の不在」であると思っています。これは日本企業の弱点だと思っています。
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